パナソニックをテレビ事業縮小に追い込んだ中韓メーカーの競争力-“記事から読む日本経済” [若者よ!日本に留まることだけを考えるな!]
【特集】若者よ!日本に留まることだけを考えるな!
“パナソニックをテレビ事業縮小に追い込んだ中韓メーカーの競争力”
10月31日、大手電機メーカーのパナソニックは、来年3月の決算予想が4200億円の赤字になると発表した。これに伴い、赤字の要因であるテレビ事業の構造改革も発表。自社パネルの使用比率を現在の7割から3割に引き下げること、千葉県茂原工場の休止、プラズマテレビの年間生産台数を約半数にするなど、大幅なテレビ事業の縮小となる見込みだ。
2008年1月、松下電器産業が開発した、世界最大となる150インチのプラズマテレビ。しかし経営陣は、世界の流れを読めなかった…
国産テレビのトップブランドとしてシャープ、ソニー、東芝、日立、三洋電機らと覇権を争ってきた同社による、事実上のテレビ販売戦争「敗北宣言」。だが意外なことに業界関係者たちは、このパナソニックのテレビ事業縮小を冷静に受け止めているという。
理由は、対抗しようのない中韓メーカーの躍進だ。家電業界に詳しい大手証券会社部長A氏がこう解説する。
「2005年頃までは、世界の薄型テレビのシェアの半分は日本メーカー。サムスンやLGなど韓国勢は4分の1にも満たない勢力でした。しかし、昨年ついにシェア30%台で両国勢が拮抗するようになり、今年は完全に追い越される見通しです。しかも、2008年のリーマン・ショックからようやく持ち直してきたところで、東日本大震災と急激な円高のダブルパンチ。今後も日本を取り巻く環境には好材料はありません。中韓勢とのむちゃな“価格競争チキンレース”に付き合わずに撤退するのは正しい判断でしょう」
こうした意見に、某国内家電メーカー・テレビ開発部署のB氏も頷く。
「かつてテレビ事業は利幅も大きく、社内の稼ぎ頭でしたが、ここ数年は価格下落が激しく、どんなに頑張っても赤字続き。原価や経費をギリギリまで切り詰めても、中韓勢の価格とは勝負にならないんです。ウチの場合、32インチクラスの工場出し原価で、どうやっても3万8000円は下らない。ところが、北米や中国の量販店の店頭では、中韓の同クラスのモデルが300ドル(約2万3000円)以下も珍しくない」
PANASONIC(日本) tv
SAMSUN(韓国) tv
Haier(中国) tv
しかもB氏によれば、日本ならではの高い技術や品質による差別化も望めなくなりつつある。
「現在の液晶テレビの技術はすでに熟成していて、価格差ほどの性能差をつけにくいんです。そうなれば、安い方を買いたくなるのが当然の消費者心理。北米の市場動向を見れば一目瞭然ですが、主流は激安グッドデザインの韓国メーカー勢で、中国やメキシコのファブレスメーカー製品が追従。割高な日本製を選ぶのは一部のマニアのみという図式です」(B氏)
値段で勝負できず、性能差も少ない日本製テレビ。今や海外では、一部のマニア向け商品になりつつあるとは悲しい話だ。
(週プレNEWS:取材/近兼拓史) 記事元:http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20111104-00000301-playboyz-soci
“パナソニックをテレビ事業縮小に追い込んだ中韓メーカーの競争力”
10月31日、大手電機メーカーのパナソニックは、来年3月の決算予想が4200億円の赤字になると発表した。これに伴い、赤字の要因であるテレビ事業の構造改革も発表。自社パネルの使用比率を現在の7割から3割に引き下げること、千葉県茂原工場の休止、プラズマテレビの年間生産台数を約半数にするなど、大幅なテレビ事業の縮小となる見込みだ。
2008年1月、松下電器産業が開発した、世界最大となる150インチのプラズマテレビ。しかし経営陣は、世界の流れを読めなかった…
国産テレビのトップブランドとしてシャープ、ソニー、東芝、日立、三洋電機らと覇権を争ってきた同社による、事実上のテレビ販売戦争「敗北宣言」。だが意外なことに業界関係者たちは、このパナソニックのテレビ事業縮小を冷静に受け止めているという。
理由は、対抗しようのない中韓メーカーの躍進だ。家電業界に詳しい大手証券会社部長A氏がこう解説する。
「2005年頃までは、世界の薄型テレビのシェアの半分は日本メーカー。サムスンやLGなど韓国勢は4分の1にも満たない勢力でした。しかし、昨年ついにシェア30%台で両国勢が拮抗するようになり、今年は完全に追い越される見通しです。しかも、2008年のリーマン・ショックからようやく持ち直してきたところで、東日本大震災と急激な円高のダブルパンチ。今後も日本を取り巻く環境には好材料はありません。中韓勢とのむちゃな“価格競争チキンレース”に付き合わずに撤退するのは正しい判断でしょう」
こうした意見に、某国内家電メーカー・テレビ開発部署のB氏も頷く。
「かつてテレビ事業は利幅も大きく、社内の稼ぎ頭でしたが、ここ数年は価格下落が激しく、どんなに頑張っても赤字続き。原価や経費をギリギリまで切り詰めても、中韓勢の価格とは勝負にならないんです。ウチの場合、32インチクラスの工場出し原価で、どうやっても3万8000円は下らない。ところが、北米や中国の量販店の店頭では、中韓の同クラスのモデルが300ドル(約2万3000円)以下も珍しくない」
PANASONIC(日本) tv
SAMSUN(韓国) tv
Haier(中国) tv
しかもB氏によれば、日本ならではの高い技術や品質による差別化も望めなくなりつつある。
「現在の液晶テレビの技術はすでに熟成していて、価格差ほどの性能差をつけにくいんです。そうなれば、安い方を買いたくなるのが当然の消費者心理。北米の市場動向を見れば一目瞭然ですが、主流は激安グッドデザインの韓国メーカー勢で、中国やメキシコのファブレスメーカー製品が追従。割高な日本製を選ぶのは一部のマニアのみという図式です」(B氏)
値段で勝負できず、性能差も少ない日本製テレビ。今や海外では、一部のマニア向け商品になりつつあるとは悲しい話だ。
(週プレNEWS:取材/近兼拓史) 記事元:http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20111104-00000301-playboyz-soci
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